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ヒント&テクニック / 連載SMAF講座
無限の音色創造、究極の楽器
第6回目 オリジナリティあふれるサウンドを作るコツ
FM音源は、楽器の波形を再生するのではなく、波形そのものを合成できるため、既存楽器のシミュレーションからオリジナル音色まで、まさに無限の音作りが可能です。今回は、この自由度の高い音源システムを駆使するための基本的なポイントを紹介しましょう。

    FM音源による音作りの仕組みを理解しよう
    最初は、FM音源の音作りの仕組みと用語を覚えてください。FM音源は内部に複数の発振器を持ち、それらの出力を重ね合わせたり、ある発振器の出力で別の発振器を変調し出力波形を変化させることで音作りを行ないます。

    ここで、各発振器のことを「オペレータ」と呼び、その組み合わせを指定するものを「アルゴリズム」と呼んでいます。また、各オペレータは、変調される側を「キャリア」、変調する側を「モジュレータ」と呼んでいます。

    モジュレータの出力レベルで音色の明暗が変化する
    FM変調による音作りを理解しやすいのは、2つのオペレータを重ねたもの=キャリアとモジュレータが1つずつあるアルゴリズムです。モジュレータの出力はキャリアに送られるので、聴こえるのはキャリアの出力のみとなります。

    ここで、モジュレータの音量を上げていくと、そのレベルに応じてキャリアが変調されて出力波形が刻々と変化していきます。具体的には、変調が深くなる程、新しい倍音が続々と発生して音色が明るく硬質になり、最終的にはノイズのような過激な音へと変化します。つまり、モジュレータの出力で音色の明暗をコントロールできるのです。

    サウンドデモ061は、変調を受けていないオペレータのサウンド(正弦波)から始まり、徐々にモジュレータの出力レベルを上げて倍音を増やしていき、最終的にノイズになるまでの様子を再現したものです。

    キャリアとモジュレータの周波数比で音色のキャラクタが決まる
    FM音源には音色を決定する重要な要素がもう1つあります。それは、キャリアとモジュレータの周波数比です。キャリアに対してモジュレータが何倍の周波数で発振しているかで発生する倍音が変化します。つまり、周波数比によって波形のキャラクタが決まるのです。

    例えば、1:1ではブラスやストリングスのような波形が、1:2ではクラリネットのような波形が得られます。また、周波数比が高くなっていくと、基音から離れた高い周波数帯に倍音が多く発生するため、サウンドは金属的なものへ変化していきます。

    サウンドデモ062は、モジュレータの出力レベルは一定のまま、周波数比だけを1:1から1:2、1:3〜と変化させていったものです。各周波数比で得られるサウンドの特徴を覚えることは、FM音源の音作りをマスターするためには欠かせません。

    モジュレータのエンベロープ設定により音色の時間的変化が生まれる
    周波数比で倍音の種類、モジュレータの出力レベルで倍音の量を決めたならば、各オペレータのエンベロープ・ジェネレーターでサウンドに動きを加えましょう。モジュレータ側のエンベロープでは音色の時間的な変化を、キャリア側のエンベロープでは音量の時間的な変化をコントロールできます。

    サウンドデモ063はエンベロープを調整しつつシンセ・ブラスのサウンドを作っていく過程を、サウンドデモ064はエンベロープと周波数比の調整でマリンバからベル系のサウンドを作っていく過程を再現したものです。

    さらなる音作りの自由度を約束する多彩なオペレータ波形
    FM音源は、オペレータの数が増えるほど複雑な変調を加えたり、複数の音を重ねることができるので音作りの自由度がアップします。MA-2/3チップでは、少ないオペレータでも同様の効果が得られるように正弦波以外の出力波形も用意。1つのオペレータでも複雑な波形で強力な変調を加えることができ、変調をしない波形合成による音作りの可能性も広がります。

    サウンドデモ065は、同じ周波数比、出力レベルのままモジュレータの波形を次々と変化させたものです。

他にも紹介していないパラメーターがありますが、キャリア/モジュレータの役割と、周波数比/出力レベルの変化と音色の関係を理解できれば、FM音源による音作りの世界に挑戦できるはず。また、プリセット音のエディットも的確にできるようになるでしょう。
MIDRADIO Player
下記のデモファイルの試聴にはMIDRADIO Playerのダウンロードが必要です。

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FM音源を使ったサウンドデモを聴いてみよう
ここで紹介するサウンドデモは、MA-3のFM音源部で作成したものです。違いを明確にするために、音を豊かにするテクニックは使わずに素の状態で演奏しています。パラメーターの設定によりサウンドが大胆に変化する様子を聴いてください。
SMAFファイル(.mmf)
mp3ファイル(.mp3)
MAサウンドデモ061
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周波数比1:1、モジュレータのフィードバック最大という設定で、徐々にモジュレータの出力を上げて変調を加えてみた。たった1つのパラメーターを可変するだけで劇的に変化していくサウンドを聴いて欲しい。
MAサウンドデモ062
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今度は、程よく倍音が発生した状態で出力レベルを固定し、周波数比を変化させてみた。最初は、波形のキャラクタがガラリと変わるが、周波数比が高くなると倍音が発生している周波数帯域が移り変わっていく様子がわかる。
MAサウンドデモ063
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周波数比1:1で得られる波形を元に、エンベロープで音色の時間的な変化を加えてみた。小節ごとに、「波形の決定」→「アタックの調整」→「ディケイの調整」→「リリースの調整と全体の再調整」と音作りが進んでいく。
MAサウンドデモ064
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周波数比を1:5としてマリンバの音を作ってみた。ディケイとリリースの調整でそれっぽい感じになる。後半で、エンベロープ・カーブはそのままに周波数比を変えることによりベルっぽい音色に変化していく様子も聴いて欲しい。
MAサウンドデモ065
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周波数比1:1、モジュレータの出力一定のままで、オペレータの波形を正弦波から順に変化させてみた。MA-3では32種類(ユーザー波形含む)が用意されているが、ここではMA-2と共通の先頭8つの波形を試している。正弦波とは異なる倍音を含む様子や、より過激な変調がかかる様子を聴いてみよう。

MIDRADIO Player
上記のデモファイルの試聴にはMIDRADIO Playerのダウンロードが必要です。

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Copyright(c) 2008 Yamaha Corporation. All rights reserved.
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