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ヒント&テクニック / 連載SMAF講座
重ねるだけで想像を超えるサウンド
第2回 豊かなサウンドを生み出すレイヤーテクニック
複数のサウンドを重ね合わせるレイヤーは、単一音色では得られない深みのあるサウンド作りを簡単に行なうことができます。携帯電話につけられた小径スピーカーの周波数特性はあまりHi-Fiではありませんが、こうした環境でも上質な音を制作できるミキシングテクニックにも応用できます。

    重ね合わせの基本はオクターブ・ユニゾン
    最もベーシックなレイヤーサウンドは、オクターブ・ユニゾンです。これは、フレーズをオクターブ重ねで演奏することによって強調するテクニックです

    基本的には、曲データ側でオクターブの異なるトラックを作成し、同じパートを演奏することになります。例えば、音を太くしたい場合、低域を補いたい場合には1オクターブ下を、逆にヌケをよくしたい場合は1オクターブ上を重ねると良いでしょう。また、オクターブ違いのパート間で音量バランスを調整すれば、音色のニュアンスもコントロールできます。

    このオクターブ・ユニゾンが効果的なのは、メロディやベースなど曲の核となるパートや、ブラスやストリングスのようにオブリを演奏するパートです。サウンドデモ021は通常通り打ち込んだ前半部に対して、後半から主要パートにオクターブ・ユニゾンを加えています。一方、サウンドデモ022は違いを確認するために、サウンドデモ021の個々のパートをソロで演奏しています。あからさまにオクターブを重ねたという感じではなく、各音色の倍音が変化したようにミキシングするのがポイントです。

    きらびやかで深みのある音色合成の定番サウンド
    レイヤーサウンドの定番は、キャラクタの異なる音色を重ね合わせる音色合成です。中でも持続音と減衰音の組み合わせは定番中の定番と言えます。

    例えば、メロディ・パートに木管系とベル系の音色を重ね合わせたサウンドを使ってみましょう。サウンドデモ023は、FluteとGlockenの組み合わせで、Fluteのみの前半に対してGlockenがプラスされた後半は雰囲気が華やかになり、さらに立ち上がりの速い音色が重なったことでメロディ・ラインがハッキリしたことを確認できると思います。

    一方、バッキング・パートでは、E.Piano系の減衰音とStrings系の持続音の組み合わせが効果的です。サウンドデモ024では、前半をE.Pianoのみで演奏、後半で温かみのあるPAD系のサウンドを加えています。FM音源ならではのきらびやかさに温かみがプラスされる様子を聴いてください。この和音パートとしてやわらかなPAD系のサウンドを重ねる方法は、携帯電話の小径スピーカーでは再現しにくい中低域を補いたいときにも有効なテクニックです。

    ボイスを省略しつつ厚みやハーモニー感を出すレイヤーの応用
    サウンドデモ024のように、バッキング・パートにレイヤーサウンドを利用するとボイスを大幅に消費してしまいます。また、音数が多いと小径スピーカーが飽和してしまい、逆効果となってしまいます。

    そこで、和音を構成するすべての音を重ねるのではなく、例えば、トップとボトムのノートだけというように一部の音のみを重ねることでボイスの消費を抑えつつ厚みを得る工夫が必要となります。また、残す音の選び方によって中低域を膨らませたり、トップ・ノートの動きを目立たせるなど、特定の帯域を強調するような使い方も可能です。

    このボイスを間引くテクニックは、テンション・ノートを含むボイス数の多い和音を打ち込む場合にも有効で、2つのパートにボイスを分散させることでサウンドの豊かさと複雑なハーモニーの両立を図ることができます。

    サウンドデモ025は、バッキングを正直にレイヤー化した状態から、ボイシングやレイヤー・パートを変化させていったものです。少ないボイス数でも同様の効果が得られる様子、また、同一ボイス数でも異なる響きが得られる様子を聴いてください。

携帯電話の着信メロディは、データ容量などの制約があるため、不要な音をうまく省きつつ重ねていくことがレイヤーサウンドを活かすためのコツです。また、2つの音色がバラバラに鳴っているのではなく、1つのサウンドとしてまとまって聴こえるようなミキシングも重要です。
MIDRADIO Player
下記のデモファイルの試聴にはMIDRADIO Playerのダウンロードが必要です。

同意書をお読みください
以下のファイルをダウンロードされた場合は、同意書(同意書を読むにはここをクリック)に規定された条項に同意されたものといたします。

レイヤーを駆使したデモ曲を聴いてみよう
ここで紹介するデモ曲はすべてMA-3だけで演奏したものです。ドラムのほかは、すべてFM音源を使用して作成しています。
zipファイルは、ダウンロード後に解凍ツールで解凍すればSMAFファイル(.mmf)となります。
SMAFファイル(.mmf)
mp3ファイル(.mp3)
MAサウンドデモ021
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前半はバランスは良いが地味な印象。後半はベース、シーケンス・フレーズ、ブラス、パッドにユニゾン・パートを加えた。厚みやヌケの違いに注意して聴いてみよう。
MAサウンドデモ022
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違いを確認するために、021の各パートをソロで演奏していったもの。個々の音の違い、アンサンブルの中での効果を確認して欲しい。
MAサウンドデモ023
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木管系のメロディにベル系のサウンドを重ねた例。前半4小節のしっとりした雰囲気に対して、後半4小節ではメロディがハッキリして華やかになっている。
MAサウンドデモ024
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バッキングのエレピにパッド系のサウンドを重ねた例。後半4小節では中域の厚みが増し、レイヤーパートを左右に振り分けたのでステレオ感も強調されている。
MAサウンドデモ025
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最初は単純な4ボイス×2(E.Piano+PAD)のレイヤー。次はボトムを省いたE.Pianoとトップを省いたPADのそれぞれ3ボイスずつを重ねたもの。最後はE.Pianoは4ボイスのまま中央に、PADをトップとボトムの2ボイス×2として左右に振り分けている。

MIDRADIO Player
上記のデモファイルの試聴にはMIDRADIO Playerのダウンロードが必要です。

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Copyright(c) 2008 Yamaha Corporation. All rights reserved.
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