この場合、付加するのは、おそらく録音されたフレーズとなるでしょう。楽器のように再生するというよりも、むしろ着信音の中で何度か繰り返して鳴らしたい場合がそうです。標準的な音符や楽器音よりも、時間的におそらくかなり長いものとなるでしょう。従って、PCM音色を作成し"内蔵して再生する"というやり方は、ファイルサイズの制限から、満足できる解決策とはなりません。この"サイズ"という問題に対処するために、SMAFでは、サウンドを"StreamPCM"という形でファイルに取り入れることができるようになっています。このとき波形データは、MA音源LSIの内部メモリには格納されず、携帯電話端末にある外部メモリに記憶され、SMAF MIDIデータのドラムチャンネル(バンクセレクトMSB 125)上の特殊な音符がトリガーとなって再生されます。波形データは外部的に記憶されますが、そのファイルの読出、再生のためのバッファとして、MA音源LSIの内部メモリを1KB確保する必要があります。ふたつのストリームの同時読出が可能で、その場合2KBのメモリが必要となります。オーサリングツールは自動で最大発音数を判断して最適なメモリ領域を使用します。
StreamPCM機能を用いる場合には、音色の作成は行いませんが、SMAFファイル(.mmf)に特別に取込まれた波形データのトリガーとしてドラムチャンネル上の音符を用います。憶えておくべき重要なポイントは、以下の通りです(以下をPCMのリストと比較してみると、その違いがはっきりとわかります)。
- ひとつのSMAFファイル(.mmf)においてStreamPCMとして利用できる波形データファイルのサイズ合計には理論上全く制限がありませんが、携帯電話端末のメモリには限界があります。しかしストリームごとに(最大2ストリーム)、読出バッファとしてMA音源LSIの内部メモリを1KBづつ使用します。
注:連続的に再生する限りにおいては、実際にいくつものサウンドファイルを取り込むことができます!1または2というストリーム数は、同時に再生できるストリーム数を意味していると理解して下さい。
- データ転送レートが大きな要因となるため、もとの16bit波形データファイルのサンプリングレートには制限があります。オーサリングツールには、8bitまたは4bit ADPCMで読み込まれます。データ転送レート(サンプリングレート)の最大許容値の合計は、4bit ADPCM圧縮方式で取り込む場合、16KHzです。例をあげれば、以下のようになります。
4bit ADPCMで取り込む場合、16KHzのサウンドファイルが1ストリーム
4bit ADPCMで取り込む場合、8KHzのサウンドファイルが2ストリーム
8bitで取り込む場合、8KHzのサウンドファイルが1ストリーム
8bitで取り込む場合、4KHzのサウンドファイルが2ストリーム
- StreamPCMサウンドは、自動的にループしません。
- StreamPCM波形を、オーサリングツールを用いて編集することはできません。
- StreamPCMは鍵盤を用いて演奏するものではないため、画面上の鍵盤部分は使用できませんが、ドラムトラック上の特殊な音符がトリガーとなります。
- StreamPCMはFM音色とは全く異なります。ボイスバンクに"格納"されるのではなく、SMAFファイル(.mmf)に個別に取り込まれます。再生した場合、ピッチはもとのサウンドファイルのままで、変更できません。
StreamPCMを利用するために考案されたプロセスは、まず最初にSMAFファイル(.mmf)にSMF(.mid)を取り込み、その後サウンドファイルを取り込むという点で独特な方法です。オーサリングツールの最新バージョンが利用できるようになるまでは、以下のような方法で、StreamPCMを付加していました。まず.midファイルの取り込みから始めます。SMF(.mid)にデータは入っていなくても構いませんが、ドラムバンクを適切に備えたチャンネル10のドラムトラックが設定されていなければなりません。そのファイルをオーサリングツールに取り込んだ後、StreamPCMを付加するために、以下のような作業を行います。
ウインドウメニューからStream PCM Assign Mapを開きます。最初の部分(図参照)を右クリックして"New"を選択し、"Your mono .wav file"を選んで取り込みます(先に説明したサンプリングレートについて思い出して下さい)。サウンドファイルは、ウエーブID#1に取り込まれます。次の図は、ドラムトラックの音符が、どのように、取り込んだサウンドファイルのトリガーとして働くのかを示しています。
オーサリングツールを用いて、StreamPCMのトリガーとなる音符の概ねの位置を、ドラムトラック上で決定する必要があります。SMF(.mid)を取り込んだ後、StreamPCMを取り込み、オーサリングツールで再生します。トリガーのタイミングが少しずれているときは、SMF(.mid)に戻って音符の位置を調整し、SMF(.mid)を再保存します。その後、そのファイルをオーサリングツールに再び取り込み、オーサリングツールで再生してサウンドをもう一度チェックします。(StreamPCMは引き続き有効なので、再度取り込む必要はありません。)
オーサリングツールの最新版では、StreamPCMの取り扱いが、かなり簡単になりました。ですから、このホームページで提供される最新バージョンに更新してみて下さい。
最新版のオーサリングツールMA-3バージョン1.4(ソフトウェアツール)及びバージョン3.1(ハードウェアツール)を使えば、StreamPCMをいとも簡単に付加することができます!操作の考え方は全く同じです。SMFファイルの読み込みから始めますが、最新版では、StreamPCMの付加、位置決め、設定の全てがオーサリングツールの中でできるのです。SMFファイルを読み込んだ後、"Piano Roll"ボタンをクリックし、ピアノロールウインドウを開きます:
まず先程説明したやり方で、波形をStreamPCMアサインマップに読み込みます。読み込まれた波形は、最新版ではピアノロールウインドウの最下部にあるチャンネルにドラッグし、ファイルのどの位置にでも配置することができます。手順はこれだけで、StreamPCMのトリガーとなる音符を配置するために、MIDIファイルのドラムトラックにまで、さかのぼる必要はもうありません。アプリケーションウインドウのコントロールバー を用いれば、結果をSMAFオーサリングツールで再生し、直接聴いて確認することもできます。すごいと思いませんか!