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SMAFで作る着信音−デイブ・ブリストウ
Dave's MA-7 Tips Vol.3
はじめに
MA-7シンセサイザの対象範囲は拡大しています。FM/PCMハイブリッドのPCM部は、むしろ標準の音楽業界向けサンプラーに近いと言えます。MA-3では、PCM 音源方式は、特にドラム・サウンドに対応するために導入されました。MA-7には、独立したエンベロープとフィルタリングを備えたマルチ・エレメントと、ピアノ、ストリングスなどの基本音色をカバーする一連のROM波形が用意されています。主に付属のプリセット音色を使用することとは思いますが、新しい音色を作成するために、音色エディタの中を覗いて見る価値はあります。
MA-7の動作
波形拡張機能はMAでは比較的新しい機能ですが、サンプリング合成一般はユーザにとっては目新しいものではないかもしれません。ご推察のとおり、MAシンセサイザのアーキテクチャは標準的なものであり、他のサンプリング・シンセサイザの仕様を踏襲しています。拡張されたPCM音色を完全に活用するために理解しておく必要のあるメモリ使用量やソース波形のビットレートおよびサンプリングレートに関する、いくつかの特別な詳細事項があります。Voice Editウィンドウの概要から始めて、主要な機能を説明していきます。

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1. マルチエレメント
任意のPCM音色に対して5つのエレメントを設定できます。エレメント同士が重なり合うことはできません。つまり、エレメントは隣り合って存在し、エレメントのサイズは「Border Note」(各エレメントの最も高音の音符)によって定義されます。デフォルトでは、Element 1は常に最も低いMIDIノートで始まります。エレメントのBorder Noteが127以外に設定されていると、新しいエレメントがすぐ右に開かれ、最大の5エレメントになるまで次々に新しいエレメントが開かれます。最後のエレメント(Element 5番)のBorder Noteは自動的に127になります。エレメントが定義されると、波形を割り当てることができ、個別のエレメント・パラメータを編集することができます。エレメントの割り当てを分かりやすくするために、エレメントは色分けされています。編集ウィンドウ下部のキーボード上にカラーバーが表示されます。

2. 波形の割り当て
PCM音色波形として使用するための波形は、最初にVoice Waveリストに登録する必要があります。Voice Waveリストはユーザ・スロットは、”Voice”タブを選択して、”Voice Wave”ラジオ・ボタンをクリックすると表示されます。LibralyウィンドウのVoice WaveリストにはPCM波形を格納するための66個のユーザ・スロットがあります。任意の空きセルを右クリックすると、”New”メニューが表示されます。以下は、PCM音色ライブラリの新しい波形を追加するために知っておく必要のある情報です。
  • - モノファイルのみ。
  • - 読み込み後の最大サイズは16KBです(PC上のファイルのプロパティを参考にしてください)。
  • - サンプリング・レートは自由に選択できます(1.5k〜48kHz)。
  • - ビット数は"Preference Settings"に依存します。
ライブラリはメモリの制限がないPCに格納されていることを忘れてはなりません。MA-7で使用できる音色バンクのサイズ制限を知っておく必要があります。また、MA-7 SMAFファイルで使用できるPCM音色のサイズは、MAチップのRAMサイズに依存するため、これも知っておく必要があります。PCM音色に利用可能な波形は、MAチップ上のROMにいくつかあります。これらの波形は、RAMを占有することはないので、自由に使用することができます。Voice WaveリストのWave ID66〜127にも波形があります。これらの波形は、汎用の楽器波形の集まりです。しかし、これらをPCM音色に使用した場合、独自に読み込んだ波形のようにRAMを使用します。

3.エレメントの選択
設定されているエレメントの数に応じてエレメント・タブが表示されます。エレメント・タブに表示されるすべてのパラメータは、エレメントそれぞれに設定する必要があります。ここで色分けが役に立ちます。編集したいエレメントが、再生する鍵盤に対応していることを確認してください。

4.エレメントのパラメータ編集
エレメント・タブをクリックすると、そのセクションが前面に表示されます。このセクションに表示されるすべてのパラメータ値は、選択したエレメントに固有です。それらのパラメータを見ていきましょう。

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ほとんどのパラメータは、MA-3またはMA-5音色エディタでなじみのあるものですが、特筆すべきいくつかのポイントがあります。
  1. エレメント・タブを右クリックすることによって、パラメータ・セット全体をエレメント間でコピー&ペーストすることができます。この機能を利用した場合は波形もコピーされるということに注意してください。Border Noteはそのまま変わりません。
  2. Fsは、割り当てた波形の周波数を示します。波形を割り当てるときに、これが実際にはソース波形のサンプリング周波数であることがわかります。MA-7は、サンプリング周波数を変えることで、さまざまなピッチを作り出します。再生できる最大周波数は48kHzです。したがって、たとえば24kHzのサンプリング・レートで波形を割り当てた場合、元のピッチより1オクターブ上まで再生できます。波形のサンプリング周波数が12kHzの場合は、元のピッチより2オクターブ上まで再生できます。つまり、Fsの値と割り当てた波形の元のピッチの両方が、各エレメントの再生可能な範囲を決定する要因となります。
  3. KSOは、キー・スケール・レベル(KSL)のオフセットです。通常は、KSLでは、低い音から高い音になるに従い音量を下げていきます。KSOを調整することにより、各エレメントでのKSLをより効果的に使用することが出来ます。
  4. LPはループのスタート・ポイントで、EPはエンド・ポイントです。
  5. Key Followボックスをオンにすると、音の高さに追従してフィルタのカットオフ周波数が変化します。音程が高いほど、カットオフ周波数も高くなります。
PCM音色作成の利点とその例
サンプリングやPCM音源は、音楽業界で広く使用されています。伝統的な楽器サウンドを作成する素早い手段を提供するだけでなく、チューニングされていないサウンド、変わったサウンド、複雑なサウンドをさまざまなピッチで再生すると、予期しないような面白い音色の作成に役に立ちます。パッドや非常に豊かなサウンドを簡単に作ることができます。一つの音色を作る際に必要な波形を1つまたは2つだけで済ませることで、ポリフォニーの観点から言えばサイズ的にメリットがあります。スムーズなルーピングは常に課題ですが、ルーピング特有の音を利用し、これを活かして使用すると有効な場合があります。

ここに挙げた例は、MA-7のPCM音源機能で楽しく遊んだ結果にすぎません。従来のマルチ・エレメントからワンショットやループまで、さまざまな使用法をカバーしており、MA-7 のPCM音源から何らかの「特別なもの」を引き出すための参考になることと思います。MA-7の音色サンプルを掲載しましたのでパラメータを見て下さい。mp3ファイルは、各音色の短いアドリブ演奏をで、ATS-MA7-SMAFで再生したものです。
例
実際のエフェクトを示す簡単な例を示します。

1) 音色サンプル

db-PCMExamples_vm7.zip
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2) Tinkle Pad

TinckleExample.mp3
Play

このサンプルは、連続して異なる高さの音を鳴らすことで生成されます。これにより、「ティンクル」エフェクトが提供されます。ループ・ポイントを探す必要がないので、ルーピングは簡単です。

3) GrumblePad

GrumblePadExample.mp3
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この音色は、既存のシンセサイザーで1オクターブ離れた音とわずかな5度の音を発音し、それをサンプリングしたものです。このサウンドは、キーボード全体の音域で発音するために2つのエレメントを必要としました。このケースのループ処理は、私のサウンドエディタで行いました。(ATS-MA7-SMAFは、aiffからであればループポイントを読み込むことが出来るため、aiffとして保存しました。)

4) PercLoop

PercloopExample.mp3
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これはパーカッション・ループです。もちろん、このケースでもループ処理は簡単です。サウンドにスロー・フィルタ・エンベロープを適用しているため、キーを押し続けると、音質が柔らかくなります。キーを押しなおして音質を突然元に戻すこともできます。

5) Standard EP

EPExample.mp3
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一般的な音色を作成したかったので、この例ではEPを選択しました。単一サイクル・ループを使用するための最も簡単な音色の1つです。(単一サイクル・ループ処理については後述のヒントを参照してください。)

6) HarmosExample

HarmosExample.mp3
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このサウンドは、Tinckle Padと同じような作り方です。ただし、このケースの波形データは、さまざまな倍音をフェードイン/アウトするという点が違います。その結果、波形はそれに対応してさまざまに動きますが、この場合も倍音の系列で作成されているので、「作り込まれた」音色であり、さまざまなピッチで再生できます。

その他のヒント
  1. メモリ・サイズの問題 - この問題はそれだけで1つのメニューを構成するに値します。しかし、SMAFおよびRingtoneの開発者にとってはメモリ管理は重要な作業の一つそこで、ここではメモリに関するいくつかのヒントだけを述べます。
    • MA-7の音色データ用RAMの最大サイズは16.3KBです。これは、1つのSMAFファイルで使用される音色の合計のサイズです。
    • これは、音色を送信する場合にも当てはまります。"send selected..."オプションを使用して、送信される音色データのサイズを減らしてください。
    • パラメータ・データもいくらかのRAM容量(多くはありませんが)を使用するので、波形に大きなファイルを使用する際は、パラメータのためのスペースを残しておいてください。
  2. 単一サイクルのループ処理を行う場合は、EPエンド・ポイントに隣接したLPスタート・ポイントで開始し、エンベロープ(Amplitude EG)を段階的に下げていく方法が最も簡単です。この操作は、LPボックスを選択し、矢印キーを使用して行います。この間も、マウスカーソルによりキーボードをクリックし音を再生できます。
  3. すべてのエレメントの波形登録を初期化するには、エレメント1の波形を"---"に設定してください。
  4. 元のピッチを任意の量だけ下げて再生することはできますが、より高音の音符を再生する場合は制限があります。Fsボックスの最大値は48000です。
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Copyright(c) 2008 Yamaha Corporation. All rights reserved.
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