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SMAFで作る着信音−デイブ・ブリストウ
Dave's MA-7 Tips Vol.1
はじめに
MA-7は、着信メロディ作成のための、完成度の高い"ミニ"音楽制作スタジオです。MA-7には、プログラム可能なMIDI サンプラーとFMハイブリッド・シンセサイザが組み込まれています。また、16本のPCMオーディオ・トラックがサポートされ、HV音源も搭載しています。さらに、リバーブやコーラスなどのエフェクタ、および3Dポジショニングをすべてのトラックに適用できます。制作フローをスピードアップするために、音色、オーディオ、HV音色、HVスクリプト、エフェクト、および3Dパターンを含むライブラリを別々に保存して、必要に応じてロードできます。これによって、プロジェクト間でのデータ移動が向上し、あなたの制作を支えるすべてのデータに容易にアクセスできるようになります。

この連載記事では、MA-7によるSMAF制作テクニック全体について総合的に説明しますが、特に、下記の点に重点を置いています。

a) 3Dポジショニングの使い方
b) エフェクタの使い方
c) PCMシンセサイザの強化について
d) FMシンセサイザの強化について

まず、まったく新しい機能である3Dポジショニングから始めます。

空間に存在する音について私たちが感じる音像定位は、左右スピーカーの相対的な音量のみで得られるわけではありません。実際、モノラル信号であっても、あたかも左または右から聞こえるようにすることができます。また、効果はわずかですが、上や下から聞こえてくるようにさえ信号を加工できます。着信メロディで非常に重要なことは、存在するすべての音により作り出される音場が、スピーカー同士の物理的な間隔に比べてはるかに広い"幅"を持つように感じられる点にあります。
MA-7の動作
MA-7の持つ3Dポジショニング技術では、電子的に生成した音楽に音響心理学を利用して、新しい幅と現実感のある雰囲気を与えることで、単なるモノラル音源に空間効果を実現します。この概念はとてもシンプルなもので、3Dポジショニングについて見れば、3Dトラックの割当て、パターン、イベントの3つのレベルを制御しているだけです。

3Dトラックを割り当てる:
それぞれの音楽トラックが3Dアルゴリズムにどのように影響されるかを決定します。独立した3Dイベント(または3D"パターン")のトラックを最大4本作成できます。それぞれのトラックは0から3までのID番号で識別します。これら3Dパターンのいずれにも、MIDI 16トラックまたはオーディオ 16トラックから任意のトラックを割り当てることができます。3Dイベントを追加したときにマスター・トラックの先頭に表示されるオレンジ色のタブをダブル・クリックすると、以下のウィンドウが表示されます。

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3Dパターン:
音楽の進行に従って空間上に生じる見かけ上の音の動きのことで、前後左右のほか、上下方向も表現できます。3Dパターンは、ポイントの連続、つまり"空間イベント"を作成することで生成されます。3Dアルゴリズムによって各ポイントの間が補完されるので、パターンに沿って音が連続的に移動するように聞こえます。パターン自体は、複雑な空間移動の集合で構成することもできるほか、単純な静止位置の集合で構成することもできます。どのようなコンテンツのファイルにも、専用のID番号を持つパターンを最大4つ設定できる点を忘れないでください。

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上の図に示すパターンは、リスナーを中心とした見かけの半径1メートルの円を表しています。

3Dイベント:
音楽の中で、特定の時間の空間における音の位置を表す特定のポイントのことです。このポイントは、特定の時間におけるMeasure/Beat/Tickにリンクしています。たとえば、イベント、つまりポイントは、時間内の特定のMeasure/Beat/Tickに沿って左右方向、前後方向、および上下方向の座標を持ちます。

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例
2つのシンプルな例を挙げます。

A) 時計のチクタク音 - この例では、チクタク音が時計周りでリスナーの周りを回っています(パターンは前の図に示されているものです)。

ClockTicks_mp3.zip
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B) ドップラー - 連続した和音が右方向からリスナーに接近し、風切り音のような音をたてて左方向へ抜けていきます。

Dopplar_mp3.zip
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このパターンは、ユーザーの前頭部を通過する左右方向のイベントのみで構成されるきわめてシンプルなもので、何かが飛び去っていく効果を得る場合に最適です。

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この場合は、次のようにSMFファイルになんらかのピッチ・ベンドを加えるとさらに高い効果が得られます。

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ヒント
MA-7 のユニークな3Dポジショニング技術を駆使して音場に独自の深さと幅を付加できるようになるまで、それほどの時間を必要としません。ここでは、その習得に役立つように、3D効果を使用する上でのヒントをいくつか紹介します。

データ・サイズ:まず、一般的な注意点を挙げます。着信メロディでは、通常、データ・サイズとデータ転送速度に注意を払うことが必要です。3D効果では、外部から見えない部分で相当量の計算が実行されています。したがって、大量の3D処理を行うと、SMAFファイルのデータ転送速度が過大になることがあります。このような場合は、MD[B/s] ボックスが点滅します。普通は3Dを割り当てたトラックを1本削除するだけで、データ転送速度は問題ないレベルまで減少します。

簡素化:3D経路に使用するイベントが過大にならないようにします。"ドップラー"の例で見たように、イベント間を補間することで高い効果と滑らかな動作が得られます。イベント・ポイントを追加することで、パターンを曲のトラックと時間に一致するようにします。

音色効果:3Dを使用すると、該当する音色が変わることがわかります。これは正常なことです。音源の移動には、音色の変化を伴うことが普通です。ただし、3Dを使用して静的な定位を維持しようとする場合は、音色と音量の変化が目立つことがあるので、音色を編集して調整することが必要になります。

パターンの管理:マスター・トラックを右クリックして"3Dイベントの編集"を選択すると、すべての3Dイベントを持つウィンドウが表示されます。ここでIDフィルタを使用すれば、特定のIDのみのパターンを表示できます。

パターンライブラリの保存と再利用:3D効果の使用を始めるときには、ライブラリから3Dパターンを選択して貼り付けてから、音楽に合わせてコンテンツ・ウィンドウのトラック・ページでイベントを細かく調整することが考えられます。パターンの中で個々のイベントの位置を変更して編集する場合は、必ずファイルを保存するようにします。このファイルをライブラリにインポートしておけば、コンテンツのトラック・ページにもう一度貼り付けることができます。同じパターンを繰り返す場合に便利な方法があります。たとえば、曲全体を通して3小節ごとに円運動する音を作成する場合は、次のように操作します。
  1. 3Dライブラリからパターンを選択して貼り付けます。
  2. グラフィック表示を使用して、適切な小節数にわたり、音楽に合わせてイベントを調整します。
  3. 3Dイベント・エディタを開きます(マスター・トラックの任意の位置を右クリックします)。
  4. イベント・リスト(パターン)を.csvファイルとして保存します。
  5. .csvファイルをライブラリにインポートします。
  6. これで、調整したパターンを曲全体に容易に貼り付け直すことができます。
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